Cさん。僕のつたない言葉では伝えきれないことを、いろんな人から借りて伝えます。

中原中也 「夏の日の歌」

青い空は動かない、
雲片ひとつあるでない。
夏の真昼の静かには
タールの光も清くなる。


夏の空には何かがある、
意地らしく思はせる何かがある、
焦げて図太い向日葵が
田舎の駅には咲いている。

上手に子供を育てゆく、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
山の近くを走るとき。


山の近くを走りながら、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
夏の真昼の暑い時。


中原中也 「みちこ」II


彼女の心は真っ直ぐい!
彼女は荒々しく育ち、
たよりもなく、心を汲んでも
もらへない、乱雑な中に
生きてきたが、彼女の心は
私のより真つ直いそしてぐらつかない。


彼女は美しい。わいだめもない世の渦の中に
彼女は賢くつつましく生きている。
あまりにわいだめもない世の渦のために、
折りに心が弱り、弱々しく躁ぎはするが、
而もなほ、最後の品位をなくしはしない
彼女は美しい、そして賢い!


嘗て彼女の魂が、どんなにやさしい心をもとめていたかは!
しかしいまではもう諦めてしまつてさへいる。
我利我利で、幼稚な、獣や子供にしか、
彼女は出遭はなかつた。おまけに彼女はそれと識らずに、
唯、人といふ人が、みんなやくざなんだと思つている。
そして少しはいぢけている。彼女は可哀想だ!




中原中也 つみびとの歌

わが生は、下手な植木師らに
あまりに夙く、手を入れられた悲しさよ!
由来わが血の大方は
頭にのぼり、煮え返り、滾り泡立つ。

おちつきがなく、あせり心地に、
つねに外界に索めんとする。
その行ひは愚かで、
その考へは分かち難い。

かくてこのあはれなる木は、
粗硬な樹皮を、空と風とに、
心はたえず、追惜のおもひに沈み、
纈儒にして、とぎれとぎれの仕草をもち、
人にむかつては心弱く、詔ひがちに、かくて
われにもない、愚事のかぎりを仕出来してしまふ。






中原中也 わが喫煙



おまへのその、白い二本の脛が、
夕暮、港の町の寒い夕暮、
によきによきと、ペエヴの上を歩むのだ。
店店に灯がついて、
私がそれをみながら歩いていると、
おまへが声をかけるのだ、
どつかにはいつて憩みませうよと。
そこで私は、橋や荷足を見残しながら、
レストオランに這入るのだ--------
わんわんいふ喧噪、むつとするスチーム、
さても此処は別世界。
そこで私は、時宜にも合はないおまへの陽気な顔を眺め、
かなしく煙草を吹かすのだ、
一服、一服、吹かすのだ・・・・・・




中原中也 秋


私の青春も過ぎた、
-----この寒い明け方の鶏鳴よ!
私の青春も過ぎた。


ほんに前後も見ないで生きて来た・・・・・・
私はあむまりにも陽気にすぎた?
-----無邪気な戦士、私の心よ!


それにしても私は憎む、
対外意識だけに生きる人々を。
-----パラドクサルな人生よ。


いま荊に傷つきはてて、
-----この寒い明け方の鶏鳴よ!
おお、霜にしみらの鶏鳴よ・・・・・・



アルバート・アインシュタインの言葉より(記憶だけで書くので正確じゃないかも)

研究者にとって理想的な仕事場は大学にはない。
むしろ、たとえば灯台守のような、
静かな環境で、孤独が守れ、研究だけに没頭できる、
そして、静かに人の役に立つ、そんな仕事が理想なのだ。





Amadeusの言葉から

「私ほど音楽の勉強をした人はいない。
私は天才ではない。
努力しただけだ」




アルバート・アインシュタインの言葉から再び 08/08/30 07:02


「私は天才ではない。
 唯単に、好奇心が強いだけなのです」
 





ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』より、記憶による再現


確か最終の二行
08/08/30 11:18




 最後にやってくるのは、神であり、道徳の問題となる。  よって人は語り得ないことについては、沈黙せざるを得ないのである。



08/08/30 13:59


仏陀の言葉から またこれも記憶だけが頼り


知らないことについて答えようとしても意味がない。
人を惑わすだけだ。



08年 3月31日 月曜




中原中也 独語





器の中の水が揺れないやうに、
器を持ち運ぶことは大切なのだ。
さうでさへあるならば
モーシヨンは大きい程いい。
しかしさうするために、
もはや工夫を凝らす余地もないなら・・・・・・
心よ、
謙虚にして神恵を待てよ。
08/04/01 00:03

中原中也 羊の歌 I 祈り





氏の時には私が仰向かんことを?
この小さな顎が、小さい上にも小さくならんことを!
それよ、私は私が感じえなかつたことのために、
罰されて、死は来るものと思ふゆゑ。
あι、その時私の仰向かんことを!
せめてその時、私も、すべてを感ずる者であらんことを!



種田山頭火
鴉啼いてわたしもひとり

中原中也 修羅街輓歌

忌まわしい思い出よ、
去れ! そしてむかしの
哀れみの感情と
豊かな心よ,
返ってこい!
今日は日曜日
縁側には日が当たる。
もういっぺん母親に連れられて
祭りの日には風船玉が買ってもらいたい、
空は青く、すべてのものはまぶしくかがやかしかった
忌まわしい思い出よ、 去れ! 去れ去れ!

種田山頭火
秋空ただよふ雲の一人となる


中原中也、 臨終 秋空は鈍色にして
黒馬の瞳のひかり
水涸れて落つる百合花
ああ こころうつろなるなか
神もなくしるべもなくて
窓近く婦の逝きぬ
白く空盲ひてありて
白き風冷たくありぬ
窓際に髪を洗へば
その腕の優しくありぬ
朝の日は濡れてありぬ
水の音したたりてありぬ
町々はさやぎてありぬ
子達の声もつれてありぬ
しかはあれ この魂はいかにとなるか? うすらぎて そらとなるか?

山頭火風に自作
罪のない雲がわき上がる


フランス語の堪能な君には原文の方がいいかもしれないけど、上田敏訳、秋の歌
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。

げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
飛び散らふ
落葉かな。



逝く夏の歌

並木の梢が深く息をすつて
空は高く高く、それを見ていた。
日の照る砂地に落ちていた硝子を、
歩み来た旅人は周章てて見付けた。


山の端は、澄んで澄んで、
金魚や娘の口の中を清くする。
飛んでくるあの飛行機には、
昨日私が昆虫の涙を塗ってをいた。


風はリボンを空に送り、
私は嘗て陥落した海のことを
その波のことを語らうと思ふ。


騎兵聯隊や上肢の運動や、
下級官吏の赤靴のことや、
山沿ひの道を乗手もなく行く
自転車のことを語らうと思ふ。

僕の言葉
Cさん、悪かったね。
君ぐらい堅実で賢く生きている人を僕は他に知りません
そんなあなたを傷つけて本等に悪いことをしました。
僕の言葉は信じられないかもしれないけど,愛していたよ。
ニテとケテを産んでくれてありがとう。

2015/10/26

たばこがまだやめられない。俺は自殺をしているのかもしれない。死にたいという気持ちがある以上たばこがやめられないのではないか。苦しい。でも明日からまた禁煙する。ニテケテをよろしく。